胡蝶蘭に長生きしてもらいたいなら、たまには植え替えしてみることをおすすめします。せっかくの高級ギフトなんですから、長く楽しみたいですよね。
胡蝶蘭のおすすめ通販で販売されているような商品であっても、長持ちさせたいなら適切な時期での植え替えをおすすめします。
胡蝶蘭の植え替えが必要な理由
胡蝶蘭の植え替えが必要になる理由は、植え替えをしない場合に比べて、株全体の健康状態が悪化しやすくなるからです。
古い植え込み材が傷んでカビや腐敗菌が繁殖し、根腐れを引き起こすこともあります。また、株の成長に合わせて鉢の大きさが合わなくなり、根が圧迫されてしまうこともあるため、植え替えが必要になります。
胡蝶蘭は水苔やバークを使用するため、この材料が古くなることで、栄養分の摂取ができなくなります。栄養不足によって成長が遅くなったり、花が咲きにくくなることもあります。
以上のような理由から、胡蝶蘭の植え替えは適宜行うことが重要です。
胡蝶蘭の植え替えの判断ポイント
胡蝶蘭の植え替えが必要な時期は、株が弱った時や植え込み材料の老朽化などによる栄養不足が見られる場合です。
胡蝶蘭を植え替えるべきかどうかを判断するための基準は、以下のとおりです。
- 過去3年以上植え替えをしていない株
- 植え込み材（水苔、バークなど）が腐食している
- 根腐れを起こしている株
- 鉢の大きさから見て、株が大きくなりすぎている
これらの状態が見られる場合は、植え替えを行うことで根が健康に育ち、元気な胡蝶蘭を育てることができます。
胡蝶蘭の植え替えに適した時期
胡蝶蘭の植え替えは、通常4月から6月頃が最適です。
この時期は胡蝶蘭が活発に成長し始め、根を張るためのエネルギーが十分にあるため、鉢植えに移すことができます。また、この時期は温度が適切で、湿度も高めに保てるため、植え替え後の根の成長を促し、胡蝶蘭の健康維持につながります。
ただし、胡蝶蘭によっては、冬季に成長が活発になるものもあるため、その場合は冬季に植え替えを行うこともできます。また、胡蝶蘭が弱っている場合や、根腐れなどのトラブルが発生した場合には、早急な植え替えが必要になることもあります。この場合は、季節に関係なく、できるだけ早く植え替えを行うことが重要です。
胡蝶蘭の植え替えの前に準備するもの
胡蝶蘭を植え替える際には、以下の3点を準備する必要があります。
- ハサミ 園芸用のハサミがあれば、根を切る際にスムーズに作業が進みます。ハサミを使用する前には、ライターやアルコール等で消毒しておくことが大切です。
- 植え込み材（水苔、バーク） 胡蝶蘭は土を使用せず、水苔やバークを使って植え付けます。水苔は保水力が高く、バークに比べて花持ちが良いとされていますが、長期間使用すると腐敗やカビの発生につながる場合があるため、適宜交換する必要があります。一方、バークは水はけがよく、胡蝶蘭の成長を促進する効果があるとされていますが、ナメクジなどの害虫が発生しやすく、鉢の中の状態が分かりにくいというデメリットがあります。
- 新しい鉢 植え替える際には、鉢のサイズも重要なポイントです。鉢の大きさが小さいと根が詰まって成長が妨げられるため、鉢のサイズを変更する必要がある場合もあります。また、素焼き鉢など通気性の良いものを使用することが望ましいです。
胡蝶蘭の植え替え手順
- 株を取り出す 最初に、胡蝶蘭を植えた鉢から株を取り出します。株を無理に引っ張ったり、力を入れすぎたりしないように注意して、根が傷つかないように丁寧に作業を行いましょう。
- 古い水苔やバークを取り除く 株を取り出したら、古くなった水苔やバークを根から取り除きます。根を傷つけないように、慎重に掃除しましょう。元気のない根や腐った根は、ハサミで切り落とします。元気のある根は、クリーム色や薄緑色で、柔らかく、しなやかな感触があります。傷んだ根は黒っぽく変色し、感触がブヨブヨとスカスカになります。
- 新しい鉢に植え替える 水苔を使用する場合は、新しい水苔をあらかじめ湿らせて、根に巻き付けた後、鉢に入れます。バークを使用する場合は、鉢の底にポリポットを敷き、バークを敷き詰め、根を上に向けて中央に置きます。そして、周りにバークを詰めて、空気を抜きます。最後に、鉢の表面に余分なバークを除去し、株が倒れないように固定します。
- 水やりを停止する 植え替え後は、水やりを停止します。水苔栽培の場合は、2週間程度、バーク栽培の場合は、1週間程度、水やりを行いません。この期間中は、葉の表面に霧吹き程度の水分を与えます。水やりを停止することで、胡蝶蘭が水を求めて新しい根を発生させるため、根の発育を促進することができます。
- 肥料を与えない 植え替え後は、しばらくの間、肥料を与えません。栄養を与えすぎると、根腐れなどの原因になります。
- 完成！ 最後に鉢をタップリと水やりして、水が流れ出るまで軽く鉢を振って余分な水を落とします。鉢は直射日光の当たらない場所に置き、植え替え後の数週間は風通しのよい場所で管理しましょう。
以上が胡蝶蘭の植え替えの手順になります。植え替えにあたっては、株や根を傷つけないよう、慎重に作業を進めることが大切です。
また、植え替えは胡蝶蘭の健康維持に欠かせない作業であるため、定期的に行うことが重要です。特に根腐れや植え込み材の劣化が目立った場合には、早急に植え替えを行いましょう。
植え替え作業を終えたら、その後のケアにも気を配る必要があります。特に、植え替え直後は水やりや肥料の与え方に注意する必要があります。適切な手入れを行い、長く美しい胡蝶蘭を育てていきましょう。
胡蝶蘭の植え替え後のケア
胡蝶蘭を植え替えた後は、適切なケアが必要です。
まず、水やりについてですが、植え替え直後は根を傷つけないように注意しなければなりません。バーク栽培の場合は、植え替え後1週間程度は水やりを停止し、その後は一週間に一度程度、200mlの水を与えます。水苔栽培の場合は、植え替え後2週間程度は水やりを停止し、その後は10日に一度程度、200mlの水を与えます。水やりが適切でないと、根腐れなどの病気や枯れの原因になるので、注意が必要です。
また、植え替え直後は肥料を与えないことが望ましいです。胡蝶蘭は元々、少量の栄養分で育つ植物なので、肥料を与え過ぎると逆に根や葉が傷んでしまうことがあります。植え替え直後は、根が傷つくこともあるので、余計に肥料を与えないようにしましょう。
最後に、植え替え直後は病気や害虫に注意が必要です。植え替えによって根が傷ついたり、環境が変わったりすることで、胡蝶蘭が弱ってしまい、病気や害虫にかかりやすくなります。特に、乾燥した環境や高温多湿な環境で、ダニやアブラムシなどの害虫が発生しやすいので、注意が必要です。病気や害虫が発生した場合は、速やかに対処することが大切です。